スバルのクルマの最も特徴的な技術といえるのが、水平対向エンジンと左右対称のパワートレーンによってもたらされるシンメトリカルAWD(Symmetrical
AWD)です。ちなみにシンメトリカルとは「対称の」、AWDとは「全輪駆動(All Wheel Driving)」という意味です。
スバルは1972年に、雪道や悪路での走行安全を可能とする乗用車タイプの四輪駆動車を世界に先駆けて発売。その後、スバルはこの四輪駆動乗用車をさらに高性能で、操縦性の優れたクルマとして開発を進め、呼び名もシンメトリカルAWDと定めました。
AWDと水平対向エンジン、それぞれによって得られるアドバンテージ。それらを組み合わせたこのパワートレーンによってもたらされる「クルマとしての優れた素性」は、スバル車が「走りのスバル」として語られる所以でもあり、数ある自動車メーカーの中でもスバルだけが持ち得る、世界に誇るべきテクノロジーといえます。
エンジンはシリンダー内で燃料を爆発させて生じるピストンの直線運動をクランクとギアによって回転運動へと変換させ動力としています。そのシリンダーの並び方によってエンジンの種類を大別することができます。現在、多くのクルマに採用されているエンジン形式はシリンダーが真っ直ぐ並ぶ「直列型」とV字型に並ぶ「V型」であり、スバルが採用する水平対向エンジンは非常に少数派で、自動車用として量産しているのは全世界的にもスバルとポルシェ社(独)のみとなっています。
水平対向エンジンは、クランクシャフトを中心に、シリンダーが左右対称、180度に配置されています。そのピストンの動きがボクシングの選手が繰り出すパンチの様に見えることから「ボクサー(BOXER)」とも呼ばれています。
水平対向エンジンには数々の優れた特性があります。まず左右対称、水平に配列されたピストンがお互いの振動を打ち消し合う事で、直列型やV型に比べ、振動を低く抑えることができること。とりわけ、水平対向6気筒エンジンは理論上「振動ゼロ」になることから「究極のエンジン」とも言われています。
さらに全長、全高がコンパクトに抑えられので、重心を低い位置に設定する事が可能になります。走行中、カーブなど荷重が大きく移動する際、重心は低ければ低いほど、安定性が高まります。つまりこの水平対向エンジンは「スバルの走り」にとって欠くことができない、重要なテクノロジーなのです。