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開発秘話

episode04 走りの安定を追求した、左右対称というカタチ。

滑ってからではなく、滑らないように制御する。

高速走行や濡れた路面、雪道など、どんなシーンでも安心して気持ちよく走れることがSUBARUの理想。シンメトリカルAWDは、走りへの情熱とテクノロジーが凝縮されたSUBARU独自のAWDシステムです。SUBARUは、4輪駆動がまだ一般的ではない時代からシンメトリカルAWDのポテンシャルに注目し、開発を続けてきました。最大の特徴は、プロペラシャフトを中心に、パワートレーンを左右対称、一直線にレイアウトしていること。4輪それぞれに均等に荷重がかかるバランスのいい設計なので、どの車輪においても配分されたトルクを無駄にせず、効率よく駆動力を得ることができます。4つのタイヤ全ての接地性をきちんと確保できるため、ふらつきやスリップが起こる可能性が低くなり、あらゆる道を安定して駆け抜けることを可能にしました。また、常に4輪にトルクを配分するフルタイムAWD方式を採用。発進時やスリップ時のみAWDに切り替えるスタンバイ方式とは違い、駆動方式が変わっても挙動変化が起こらず、悪路でも安定した走りを可能にします。滑ってから制御するのではなく、滑らないように制御する。そこには、SUBARUのこだわりが込められているのです。

走る、曲がる、止まる。その全てを軽やかに。

安心で快適な走りにはハンドリング性能が大きく影響します。クルマが重いほど、また重量物が重心から遠くにあるほど、コーナー時の慣性モーメント(物体の回転や静止に必要な力)は大きくなり、ハンドリング性能は低下します。シンメトリカルAWDは、重量物であるトランスミッションを車体の重心近くに配置し、軽量かつコンパクトな水平エンジンを搭載したシステム。慣性モーメントが小さくなり、曲がるときも、止まるときも、大きな力を必要としません。そのため俊敏な動きが可能になり、天性とも言える軽快なハンドリングを得ることができるのです。さらに、シンメトリカルAWDがその構成の核としている水平対向エンジンは、直列エンジンやV型エンジンに比べて全高が低いため重心が低く、軽量かつコンパクト。カーブなどで生じるロール(横方向の回転運動)や、制動時に生じるピッチ(縦方向の回転運動)が小さく、しかも短時間で収まります。それにより走行と操作のさらなる安定を実現。車体がグラグラしないので乗り心地もよく、乗る人全員が快適なドライブを愉しむことができます。

4WDでも、2WDに負けない燃費性能を実現。

優れた走りと低燃費を両立させていることも、シンメトリカルAWDのこだわりのひとつ。シンメトリカルAWDはエンジンの後ろに、トランスミッション、トランスファー、プロペラシャフトを加えただけのシンプルなアイテム。エンジンで発生する回転をトランスファーまで一直線に伝えることができます。それにより、複雑に構成された他の4WDに比べて、パワーロスやフリクション(摩擦抵抗)を抑えることに成功。さらにエンジンやトランスミッションをはじめとした、全ての駆動系で徹底したフリクションの低減を行うことで、2WDにも負けない燃費性能を実現しています。また他にも、安全で快適な運転をサポートする様々な機能を搭載。たとえば、雪道からの発進時や荒れた山道を登坂中にタイヤが空転してしまい脱出が難しい場合、「X-MODE」のスイッチをONにしておけば制御が瞬時に介入し、エンジン・トランスミッション・AWD・VDCを総合制御。4輪の駆動力やブレーキなどを適切にコントロールすることで、スムーズな脱出を可能にします。1971年に初めてAWD車をつくってから40年以上、SUBARUがずっと磨き続けてきたAWDシステムは、今もなお進化を続けています。

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